そういえばなんだかんだでもう、雄太と友達らしくない友達を始めて4年が経っていた。
世間では俗に言う恋人付き合いという奴が流行っているらしい。
私と彼は一体これからどうなるんだろうと、雄太をチラリと盗み見た。

「ねー、雄太。アタシ達お友達4年目だよ。」

「あー…そうだね」

どうでも良さそうでこちらは見てくれない。

「でもアタシ、友達になった日を忘れたんだよね。」

わざと、言ってみた。

本当は覚えてる、その日のこともその日あった出来事もぜんぶ。

日付は7月8日。
初めてしゃべった言葉は「なぁ!!どっち?どっち?!?」
この記憶は誰にも譲れない。

けどアタシだけが覚えてるみたいで悔しくて、忘れた振りをした。

「…あの日は多分…7月8日。別に俺が覚えてるわけじゃねーからなァ」

と、やっぱり目は合わなかったけどそうはっきり答えた。
でもさ、雄太。
あんた以外に一体誰がそんなこと覚えるのよ、なんて思いつつ私は彼にばれないように小さく笑った。


なんだかアタシ達は大丈夫な気がする。
あくまで気がするだけだけど!





絶対、いい「友達」でいられるんだよね?