空は、ぼんやり…曇り空。
月曜日――…。
私は、ゆっくりと……道を歩く。
「ナナシ」の頭の上の…グレーと同じ、空の色。
いつも早足で歩いていた学校までの道のりを――…少しだけ、ゆっくりと…進む。
すると…、どうだろう。
普段よりも…不思議と、視界が開けてくる。
暫く先を進んで、不意に――…、足を止めた。
公園のフェンスに絡まるようにして、咲いている花に…目が行ったのだ。
「………朝顔…?」
けれどそれは、
そうとも……限らない。
『雨降花だよ、それは。』
いつか、祖母が言っていた言葉が……
脳裏に浮かんでいた。
幼い頃…、
家の窓の外に咲いていた、朝顔の花……。
花をつけるその度に、数を数えては…喜んでいた、あの頃…。
水を掛けるのは、私の仕事。
近所に出掛けると、色鮮やかなそれを…見つける度に。
ワクワクと…心踊らせるものだった。
ある日の午後、祖母と出掛けた親戚の家で…朝顔を見つけた。
でも……。
よく似たそれは、『ヒルガオ』という名の花だった。
『雨降花』
おばあちゃんが…そう呼ぶから、
当然ながら、「どうして?」と…尋ねた。
今日みたいに、薄暗い…空の日だった。
おばあちゃんは、こう…言っていた。
『その花を摘むとね、雨が…降るんだよ。』


