この日一番の衝撃……!
笑ったり、
怒ったり、
表情をコロコロと変えて忙しい人だとは思っていたけれど。
こんな……小さな命で。
こんな顔見せるなんて…!
それに……
犬の死を悲しむ貴方のその命だって…。
あの世でその犬と対面してしまう日がもう来るのかもしれないのに…。
まるで…、危機感がない。
「……一大事!!」
突然叫んだシンの声に…、
私はようやく我に返った。
「…ちょっと…、シン!」
大注目を浴びる彼女をなだめながら……
私は気づく。
身近な存在の死を悲しんで…おかしいことなんてなかった。
シンの言うように、彼にとっては一大事であり……、
それなのに、あの世で会うなどと考えてしまった私は…
冷たくて、酷い女。不謹慎にも、程がある。
途端に、悠仁の切なげな瞳は…。
真っ直ぐに、シンへと向けられる。
「……、大丈夫。」
また……、
くるり、と表情を変えて。
眉を垂らして、困ったかのような……優しい笑顔。 それこそ仔犬のような、人懐こい瞳。
「……あ。イエ…、出過ぎた真似を……。」
顔を真っ赤にしてカチコチになって恐縮するシンを見て、
今度は……大爆笑!
「…どんだけ気ぃ遣ってんの。おもしれーなあ。」
なんて……嬉しそうに笑うんだろう。
不意打ちの、「癒しの笑顔」はやっぱりクラス中を巻き込んで……
和やかな雰囲気を作りだす。


