落ち着いてなどいられなかった。 なぜなら、私は私の身近な人の死を……感じたことはない。 祖母の死以来、たったの一度も……。 手摺りを掴む手がカタカタと震え、上手く感情のコントロールができない。 彼はクラスメイトで、 人気者で、 シンの好きな人で……。 たくさんの人に、愛されている人。 神様……、 なぜ貴方は、彼を選んだのでしょう。 彼はあんなにもたくましく、生きている。 その笑顔を…… 奪っていいのですか? 沢山の人の笑顔が失われるその瞬間など…… 誰が見たいだなんて思いますか?