『七世。アンタの名前はね、おばあちゃんがつけたんだよ。どうか虹みたいに…七色に輝く瞬間を、そんな世界を見つけられますように…。虹のように、人と人とを繋ぐ掛け橋のような…優しいコになりますようにって。』
いつか母が言った言葉が……
不意に脳裏に甦ってきた。
何故かはわからない。
でも……。
バスケットコートで、キュッキュッと靴の音を鳴らし、
敵チームと激しく競り合いながらも……
楽しそうに汗を拭う、登坂悠仁のその姿に……、
目を奪われていたのは事実で。
彼からしたらきっと、その瞬間、その刹那が……
煌めく世界なのであろうと、
私がまだ知らぬ未知の世界の住人のような気がして……、羨ましく感じてしまったのかもしれない。
それほどに……
眩しかった。


