その日の帰り…、 私は、悠仁のマンションに立ち寄った。 呼び出しボタンを押しても、ただ、音が虚しく…響いただけだった。 ここにいるのかは…分からない。 もしかしたら、本当に出掛けたのかも…しれない。 ただ、一言でいい。 声が…聞きたかった。 せっかちな自分に…、ほとほと呆れてしまうけれど。 動き出した時間は…、止めることは、できないのだ。 「……明日…、また来よう。」 待つことは…、もう、やめたんだ。 それこそ、無駄な時間になるって…分かっているから。