その男とは……、
何度も、視線がぶつかる。
だが、例え目が合おうとも、私に話し掛けては来ない。
気にくわないのなら、ハッキリ言えばいいのに、笑顔で…指摘するような、狡い言葉だって持ち合わせているはずなのに。
そうも――…
しない。
彼と交わした会話は、記憶にあるなかでは…事務的なものばかり。
要するに………
互いに無関心。
一生相容れることのないであろう相手。
こちらから言わせてもらえば、
どんな時でもあんな風にのうのうと笑っていられるあの人のその生き様は……
わざとらしいくらいに前向きで、
苛立ちさえ覚えるのだ…。


