軽く空の額を弾いて、無表情を少しだけ、勘違いかと思われる程に少しだけ緩めて、透は言った。 「暇な時に来るくらい、良いよ別に。俺も屋上って好きだしな」 まくし立てながら少し俯いた空の姿が、唇を噛んで黙り込む妹……瑞姫の姿に重なった。 別にたまに屋上に来るくらいなら、何も問題はない。 そう思って言った言葉に、空は一瞬驚いて、嬉しそうに笑った。