「・・・・・んだ、アイツ」




彼女が出て行った後、長い沈黙を破ったのは龍夜だった





その顔は、驚愕って言葉がぴったりだ





「朝の奴」






「は?咲羽、あいつとどっかであったのかよ?」





咲羽が屋上の扉をみつめながら、コクリ頷く。





「湊都、調べろ」




「あぁ」





あの子のこと、調べろって事だろ?




無口な咲羽はほとんど単語でしか話さない。




最初は、は?って思ってたけど、もう何を言われてもわかる。




「悠那、どした」




あの子が来てから、無言の悠那に咲羽が声をかける。




「アイツ、どっかで見たよーな気がする。・・・どっかで」




「俺もだ」