「は?ちょっ・・・・は?」
「ごめんね。じゃ、後で」
ツーツーツー
機械音が虚しく鳴る
新条 栞<シンジョウ シオリ>。
中学1年の途中から部活をきっかけに仲良くなった。
ウチの大好きな大好きな、大切な友達。
転校まで一緒にしてくれた
「そろそろ、行くかぁ~・・・」
真新しくて、着づらい制服を着る
少し暗めの茶色いショートのウイッグと黒のカラコンをつける
ウチが“私”だと気づかれないように
ローファーを履いて鍵をしめる
エレベーターで1階まで降りる
最上階いの23階から1階までおりるのは、何気時間がかかる
「いってらっしゃい、佳乃さん」
「あ、宮内さん」
1階まで降りると、このマンションの管理人の宮内さんにこ声をかけてくれた