せっかく機嫌なおったのに、わざわざ拗らすようなこと言わない。
「大丈夫。関わる気は毛頭ないし。ただ忠告するだけ。」
「・・・・」
栞はイマイチ話がわからないのか、隣で首をかしげてる。
かわいいな、おい。
「ウチもうそっちの世界とは関わるつもりはないけどね、誰かの苦しむ顔も見たくない。しかも、ウチが一言いうだけで苦しむ人が減るなら、喜んでやる」
「佳乃・・・」
陸の心配そうな、苦しそうな声が妙に頭にのこる。
でもね、決めたから、やめるつもりはない。
だって、奇襲をうけたら、絶対誰かが怪我をする。
仲間が、怪我をする。
そんなの、嫌でしょ?
ウチが雷龍の幹部の誰かにその事を伝えれば、けが人は最小限で済む。