どんなに大切に思ってても、手放さなきゃいけない時だってある。
どんなに大切でも、傷つけて泣かせちゃう事だってある。
「あんただって、胸張っていいと思う。あの男が大切なら、守れるくらいの力を付けていけばいい。」
守れなくて、もどかしくて。
泣かせちゃって、苦しくて。
どうしようもなく、自分が無力に感じる。
でも
「あんたは、強い」
「え・・・?」
「誰かの為に怒って。誰かの為に、泣けるのは強い奴だ。」
前に渓斗さんに言われたことがある。
“強さなんて人それぞれだ、自分なりの強さを貫いていけ”
いつか渓斗さんが言ってくれた言葉。
「その気持ち、忘れないでね。絶対。貫いてね」
炎神だろーが誰だろーが、こういう真っ直ぐな奴は好きだ。
純粋なやつは、好きだ
「お前、名前は?」
「柳川・・・航也だ」
「航也、また会うときは笑って会おうな」
私の言葉に一瞬驚いた航也はかすかに首を振った

