「佳乃・・・・」
栞と目を合わせる。
それだけのことで泣きたくなる。
たった1週間目を合わせなかっただけでこれだ。
心底ダメな自分だと思う。
“大丈夫”
そう口パクすれば栞は一瞬驚いた顔をしてから、小さく笑った。
炎神の懐の中に入り込んだ。
よし、準備は出来た。
まずは栞からあの男を引き剥がさないと。
「ねぇ、その子もう離してあげてもいんじゃない?もう本物の雷姫が来たわけだし」
そう上目遣いで言えば
「まぁ、そうだな」
そう言って栞からナイフをはなした。
ふふっ。簡単だなぁ、単純で良かった。
栞をさっとウチの背中で守って
「咲羽!!!」
咲羽に合図をした。

