「はっはははは、ホント気の強ぇ嬢ちゃんだ。いいな、気に入った。お前炎神に来いよ」




「遠慮しとく。それより、その子返して」





キモイ。何が“気に入った”だっつーの。



アホ、頭イってる。やっぱり手遅れ。




ってか、炎神なんだ





「くくくっ、俺たちにもプライドってもんがある。一度人質として捕らえたやつを簡単には離せねぇよ」





その言葉に、つい笑がこぼれる。





「じゃぁ、2人の人質ってことで!それならいいでしょ?」





後ろからの視線が強まった気がする。



最初に言っとくけど、ウチは決してMではない。



大切なことだから、もう一度。




Mではない!!





最初から、この言葉を言わせるために話を進めた。



こういう奴らほど異常なほどプライドが高い。



それを逆手にとって、相手の懐に入るのが目的。




しかもコイツ、面白いほど型にはまってくれたから、ついつい笑ってしまう。