さっきまで余裕の笑を浮かべてた男の顔がみるみる険しくなっていく
「その子、雷龍とは全く無関係の子だよ?それにその子、10組の子だったと思うけど?」
挑発的な笑を浮かべてそういえば、面白いほど顔が歪む男。
単純な奴だなぁ
「・・・そんな証拠どこにもねぇ」
「じゃぁ、その子が雷姫であることの証拠はあるの?」
間髪入れずに言い返す。
“雷姫”は、雷龍の姫に与えられる呼び名。
絆龍の総長だった時に他の族のこと色々調べといて良かった。
まさか、こんな時に役に立つとは思わなかったけど
「・・・雷姫か・・・・、その名を知ってるのは姫か、あるいは
他の族の奴か・・・・」
「そういうこと。だから、人質にするならウチじゃない?」
ウチの腕を掴む咲羽の手に力が込められた。
・・・・地味に痛い。

