「それ、皇ヶ崎の制服じゃねぇか」
「はい。今日から。それで今日は来たんすけどね」
「そうか。」
転校の件、その他もろもろ全部知ってる蓮さん。
“いかにも”な雰囲気の蓮さんはいるだけで、空気が変わる
「毎回思うんだけどよ。よくこんなとこに一人で来られるな」
「同じこと言うんすね。“極道”だからって蓮さんは蓮さん。恩は恩ですよ」
そう。蓮さんは“極道”の人だ。
しかも、世界でも3本の指に入るほど大規模な“藤堂組”の、組長だ。
「それに、正直あんまり怖くないんです」
蓮さんがどこの誰でも関係ない。
この人に救われたんだ。他の誰でもない、蓮さんに。
「お前はホント変わんねぇな。ブレねぇ」
「そーでもないっすよ。マジで」
「俺にそんあ口の利き方すんのは、お前とあのバカしかいねぇよ」
「アイツは身内だからですよ。ウチは、癖ですけどね」

