いっつも私を泣かせてた分、 彼をめちゃくちゃにいじめたくなる。 なのに本人を目の前にすると そんな事出来ないんだ。 困らせたくなくて……。 「番場くんはほんっとズルイ…」 私が番場くんから目をそらしたままで いると番場くんが私の顔をこちらに 向けて深緑の瞳で私を見つめた。 「何?ちゃんと言葉にして教えて?」 ほら…やっぱりズルいんだよ。 これじゃ、私が番場くんから無理矢理 『好き』って言わせてやろうって 計画が台無し…………。