「音…俺だって余裕ねぇよ。 『心ごとお前の事、奪って しまおう』とだって思う。でも、それじゃ意味がない。」 柏原くんは悲しげな笑顔を残して 私に最後に言い残した。 「柏原くん……。」 私はその背中が見えなくなるまで 彼を真っ暗な夜空の白い雪が 降りやまない中で見守っていた。 そして、柏原くんが言ってた事。私が するべき事。今しなくちゃいけないこと。 全てを理解した上で 私は番場くんの家に向かった。