ねぇ、柏原くんは強いね。 私がもし、柏原くんの 立場ならそんな事言えたかな? きっと私なら…その隙を見て大切な人を 傷つけてでも自分に振り向かせようと…。 心を奪ってしまおうとするだろう…。 そんな事を考えているとあっと いう間に、私の家の前に着いていた。 私は柏原くんの手を離して微笑んだ。 「柏原くん、送ってくれてありがとう。」 私がお礼を言うと柏原くんは少しだけ 悲しげな顔をして私の方を見た。