「これが恋か…。」 1人呟く声は寂しげに心に反響した。 雪は切なげに私の頬に降り積もる。 私はそこから動けず、立ち止まっていた。 その時、ガタンっ… と屋上の扉が開く音がした。 私は思わず扉の方に振り返った。 そこには…… 「柏原…くん?」 息を切らして私の方に近づいてきた。 そして、柏原くんはそっと私の手を握って 私の動かなかった足を無理矢理動かした。 「な…んで?なんで来てくれたの…っ」 降りていく真っ暗な階段を 転ばないように必死で歩く。