私の今できる精一杯の笑顔で柏原くんに 私は伝えた。心から告げた。 『負けたりしないよ』って……。 柏原くんは心配そうに学校が 終わるまで私をずっと見ててくれた。 情けないな…。人に心配ばかりかけて…。 ほんっと…情けない。 私はそう思いながら、怪我を負った 番場くんに会いに行こうと番場くんの 家の前までやって来た。 ただ、インターホンに手が伸びない。 番場くんを助けられなかった…。 私は結愛が何をしたのかも 分かっていない。