向かったのは井上医院。 受付を通り過ぎ、待合室も抜け、俺は診察室のドアを開けた。 「おばさん!」 「えっ!?ちょっとユウくん!?」 サワのおばさんは診察中だったが、構わず診察室に入った。 看護師が慌てて俺を止めるが、そんなの知らない。 「ユウくん、今診察中だから隣で待ってて。」 「おうおう。わし今診察中じゃけん、ちょっと待っとれや。順番は守れよ小僧。」 患者のじいさんが笑って言った。