母親は慌ててるだけでその子を助けようとしない。

周りの奴らも騒然としているだけだ。

「…助けなくちゃ。」

「え?」

サワは荷物をほっぽって、線路に飛び降りた。

「おい!サワ!」

遠くで踏切の音がした。まずい。もうすぐ電車がくる。

サワは男の子を抱き、ホームに上げた。

もう電車が見えてきた。やばい。

「サワ!掴まれ!」

俺はサワの腕を掴み、引っ張り上げた。

サワがホームに上がるとすぐに電車が入ってきて、危機一髪だった。