そんなに、簡単に帰してくれない・・・。

「よぉ、漆黒の虎さんよ~。」


「あっ?」

二人のにらみ合いが始まった。
こんな、斗真のこんな目初めてみた・・・。怖い、恐ろしい目をしている。


「大蛇の総長通り名悪蛇さん、どうしたんだ?」


悪蛇・・・・、伸也君本当に暴走族だったんだ・・・・。


「渡してくんない?その、女。」


女・・・・、いつも花音って呼んでくれるのに。


「絶対わたせねぇ。」

「ふぅ~ん。白龍さんの寵愛するおひめさまなんだ?」


ぎっり

斗真がこぶしを握り始める。
喧嘩が始まるの・・・・?


「お前は、逃げろ。」


「嫌だ・・・。」


「逃げろってんだろ。」


びっく

「嫌だ・・・。絶対嫌だ・・・、大切な人おいていけない。うっつ、・・・うっつ」


「花音・・・・。よし、じゃ分かった。今日は逃げるぞ・・・。」


斗真が私の手を引いて走りだした。