私は勇一さんに、今日実家に帰ると言った。 「急にごめんなさい……」 「…ううん、いいよ。 それより、新幹線の切符はもう持ってるの?」 「えっと… そのことで少し頼みが…」 「…ん?なに?」 「お金…少し…貸してもらいたていんですけど…」 「いいよ。 当日券買うの?」 「はい。 "今日帰る"って実家に言っちゃったので…。」 「そっか。 たぶんこの時期なら座れると思うけどな…。」 勇一さんは優しい。 私のこと、心配してくれるから。