「どうでした?」

「やっぱりさ。

いくら無茶でも法律の枠組みのなかで行われてることだから、違法性を問うのは難しいだろうって」

「……そう、ですか……」

「うん。

そういう悪さを政府みずからやる、なんてことが想定されてないらしい。

だから、今回のようなケースを取り締まる法律がそもそもないんだよ。

法律がなければ、当然罪には問えない」

「……」

「あいつら——前島大臣や、都ケミカルの稲垣ら本人が非を認めないと、どうしようもないね。

自由党の先生方に国会で追求してもらっても、前島大臣は『違法性はない』なんて逃げるだけだろうし、例によってマスコミは報道しないだろう」

「……はい」

「おそらく解散総選挙が近い。