隠し蔵書ノ古書物語

「伝承??」

「そう、例えば、有名なところは…平将門公とか。」

「首塚ですか??」

真子は突っ伏して答える。

「そう。さすがだね。真子さん。京都で切られた首が宙を舞ってここ、帝都に戻ってきたってのは有名な話だ。」

真子は褒められぱっと顔を上げていたが、すぐにうんざりしたような顔に変化する。

「もう、首の話はうんざりです!!」

「犯人は、なぜ首だけ持ち去ったとおもう?」

「え、持ち去ったんですか?」

「いや、どうだろうか。あるいは別の場所に隠したのか。それならそれも、何故だ?」

「そんなの知りませんよ…」

真子は口をアヒルのように尖らせ、修一はその頬を片手で挟みこんでしまう。

「ひょっひょ!!なにふるんでふか!!」

頬を圧迫されるせいで真子はまともに話せない。そんな真子を見て修一は笑う。

「なぁ真子さん。なぜ首だけ見つからないのだろうね。」




「将門公のように、遠い、遠いふるさとへ、飛んでいってしまったのかな??」


修一は不気味な笑みを受けべて笑う。

真子はその禍々しさに冷や汗がつたるのを認識していた。