うそ……。
信じられないんだけど。
「だから、その時の罪滅ぼしっていうか……う~ん、なんていうのかな、とにかくお前に幸せになってもらいたかったんだよ。相手がおれでなくてもね」
胸が、きゅんとした。
まさか山下がそんなふうに思っていたなんて。
山下がこんなに大人だったなんて。
……なんだ。
一番子供だったのは、あたしだったんだ。
「なあ、藤枝」
「ん?」
「そのチョコ、おれがもらってやるよ」
「え?」
「おれが食ってやる。お前の苦しい気持ちも全部、おれがまとめて食っといてやる」
そう言うと、山下はにんまり笑った。
その笑顔は、凍ってしまっていたあたしのハートを、じんわりと温めてくれた。

