「……どうせ、堤先生のことだろ?」
「え?」
「堤先生にどうやってチョコ渡そうか、とか、どうせそんなこと考えてたんだろ?」
びっくりした。
言い当てられたことももちろんそうだけど。
山下の、冷めた口調に。
不覚にも、一瞬、びくっとしてしまった。
あたしがこくりとうなずくと、山下は呆れたように「はあぁ……」と大きなため息をついた。
「好きなんだったら、伝えろよ、気持ち。当って砕けな」
「なに、その投げやりな言い方」
「いつまでも悶々としているより、砕けた方が次に行けるだろうが」
「そんな簡単に言わないでよ。ほんっと、わからない人ねぇ」
あたしがそう言うと、山下は手すりにもたれて、また大きなため息をつき、そして苦笑した。

