「あんた、さっきなに考えてたの?1人でにやにやしてたかと思えば、急に脱力したり」
綾は呆れ顔であたしを見つめる。
「……堤先生、彼女いるかもしれないってことに気づいたから」
「はあ?今更なに言ってんの。イケメン先生なんでしょ、その先生。まず最初にそれ考えない?フツー」
「だってぇ」
あたしは溶けたチョコレートのようにだらだらになった。
「じゃあ、もう、やめとく?バレンタイン」
どうしよう。
チョコは……渡したい。
堤先生のこと、好きだもん。
だけど。
当たって砕けちゃうのは、イヤ。
そこで恋が終わっちゃうもん。
大切な気持ちだもん。
「……どうしようね」
あたしは、綾にそれしか言えなかった。

