恋は凛々しく!

◇◆


「サグラダ・ファミリア知らなくてよかったぁ」


昨日の堤先生の手の感触が腕に蘇る。


それだけで興奮してしまい、赤くなった自分の頬を包み、ぶんぶんと頭を振った。


「おはよ。お前、何やってんの?」


校門で山下に声をかけられ、びくんとする。


「な、なんでもないよ」


「ふーん」


「やっぱりね、あんたと違って大人だわ。スペインよ。サグラダ・ファミリアよ」


「え?桜田ファミリーがなんだって?」


……。


はあ……。


しょせん、この男はこの程度の男よ。


毎度毎度、よくこれだけ期待を裏切らずため息を吐かせてくれるわ。