「さっき、堤先生に見とれてたろ?」
山下が声を潜めて言った。
うっ。図星。
「まあ、見とれてるだけじゃお前の愛もまだまだだな」
そう言うと、山下は鼻で笑った。
「何よ、えらそうに」
「おれなんて、三上先生のはちきれんばかりのおっぱいを間近で見たいがために、英語、わざと補講にひっかかるような点取ってるし」
やっぱりこいつは、あほだ。
「そういうわけで、今から三上先生のおっぱい、拝んでくるわ」
「さっさと行け」
あたしが追い払う仕草をすると、
「でも一番愛してるのは、藤枝だから。おやすみ、ハニー」
と、教室中に響き渡る声で言った。

