「この子はリュウ、っていうの。カワイイでしょ?」


あたしは抱っこしているリュウを撫でた。


「オレさ、公園とか行くとよく猫に囲まれんの。エサとか持ってるわけでもねぇのに」


その言葉をきいてちょっと想像してしまった。


蘭君が公園に行く度に猫に囲まれて困ったように笑う姿を。


「おい、何笑ってんだよ」


蘭君があたしのほっぺをつねる。


「りゃんくん、いひゃい(蘭君、痛い)」


「何言ってるかわかんねぇなぁ」


蘭君はおどけたような口調で笑った。