あたしは中学二年生のとき、猫を飼っていた。


名前は“リュウ”。

黒くて小柄の猫で気まぐれなリュウ。


すりよってきたかと思って頭を撫でてあげると、スッと離れていく。


なつかれていたし、あたしも可愛がっていたし、別に気にしてはいなかった。


あるとき、リュウがきっかけである男の子と仲良くなった。


名前は帯刀蘭(たてわき らん)。


蘭は見た目からして明らかに不良で、制服のボタンは胸元あたりまで開けていて、ズボンは腰まで下げている。


悪いウワサは絶えない程あった。