どくん、と心臓が跳ねる。


「あら、ぐーぜんね。龍と~、同じ名前だなんて」


一ノ城さんの隣にいた女子がわざと間延びした言い方をする。


「龍が好きすぎて、同じ名前にしちゃったって感じ?アハハハッ」


「ちがうっ!!」


後ろにいる女子達が騒ぎ始める。


「あなた達、落ち着きなさい。話はこれからよ」


場を静めたのは一ノ城さんだった。


「あなたが飼っていた猫は死んだ。ある男のせいで。確か二年前よね?」


「っ……」


ここまで知っているってことは、きっと全て……。


もう聞きたくない。


耳を塞ぎたいのに。


周りの視線がそれを許さない。