「蓮先生……」


「何?」


「……やっぱり、なんでもない」


「なんだそりゃ」


蓮先生といると、なんだか落ち着く。

ゆっくりとした時間が流れてるような気さえする。


「蓮先生、今日はクッキーを持ってきました。よかったら食べて下さい」


「おぉ。ありがと」


「ちなみに、あたしの手作りですよ」


あたしは自慢気に言ってみる。


「そうか。じゃあ、味は期待したりしなかったりするよ」


「どっちなんですか?」


蓮先生はクッキーを笑顔で受け取った。