保健室のドアを開けると、蓮先生は優雅にコーヒーを飲んでいた。


「先生、いいなぁ。あたしもコーヒー飲みたい」


「これは先生の特権だからダメだ」


「えー」


蓮先生は更にもう一口、コーヒーを口に含んだ。


「今日はどうした?足痛い?」


蓮先生は心配そうに、あたしの痛々しい足を見る。

あたしは首を横に振った。


「ちがうの。今日は、ただ遊びに来ただけ」


あたしがそう言うと、いつもは「ここは遊ぶ場所じゃない」って言うのに、今日は「そっか」と笑うだけだった。


蓮先生はあたしにコーヒーをごちそうしてくれた。

……さっきはダメって言ったのに。