「本当!?ありがとう!綾ちゃんだ~い好き!!」

遥斗君は笑顔でそう言って、あたしに抱きついた。

「ちょっ、遥斗君!?」

「な~に?」

慌てるあたしをよそに、遥斗君は呑気に返事する。

「離れて、離れてっ」

あたしは慌てて遥斗君を押すが、ビクともしない。

いくら可愛くても男の子なんだと実感する。

って、そうじゃなくてっ。

「早く離れてっ」

そう言ったのに、なぜか遥斗君は顔を近づけてくる。

あたしは離れてって言ったのに。

「綾ちゃん、顔赤いよ?かわいい~」

遥斗君はあたしの頭を撫でて、スッと離れた。

あー、助かった~。

あたしはほっと一息つくと、手で赤い顔を隠した。