翌日の10時。


今日も私は慎吾くんの病院に来た。


明日も来るって言っちゃったし、やっぱり事故の後だもん、身体が心配なのもあるの。




「おじゃましま…
…あれ?」



そっと病室のドアを開けて入ると、ベッドの上の慎吾くんは静かに身体を横たえたまま目を閉じていた。



「…寝ちゃってるんだね。
静かにしとこう」



私はバッグを台の上に置かせてもらうと、ベッドの側に置いてあったパイプイスに腰掛けた。




「………………」



特に用事があったわけじゃない。
元気そうな顔が見れたらいいの。


だけど…そう言えば、慎吾くんの寝顔なんて初めて見るなぁ。



今日は包帯も取れ、長い前髪が閉じた目の上を覆ってる。


少しだけ開いた唇からは、スゥスゥと気持ちよさそうな寝息が聞こえてくるの。


…それまで散々私にドキドキさせたクセに、今はこんなにも無防備なんだから笑っちゃう。



「…慎吾くん……私の事を忘れちゃうんだったら、私も慎吾くんの事を忘れたかったよぉ…」



だけど、どんなに忘れようと思っても忘れられない。


これが、現実なんだね。