「……ところでさぁ…」



しばらく盆子原さんと慎吾くんが話していた後、慎吾くんがチラリと私の方を見た。



――ドキン


慎吾くんの安否が気になっていて、すっかり忘れていた。


そうだ。
私は今慎吾くんの目の前で、盆子原さんと一緒にいるんだ!



「なんでオヤジと一緒にひながいるの?」なんて訊かれたら、私はどう答えたら――…っ




「そのオヤジと一緒にいる人…」



「あぁ、慎吾。
彼女と会うのは初めてだったね」



…とうとう、来ちゃった!


私が慎吾くんと親密な関係になっていた事。

私が盆子原さんと正式なお付き合いを始めた事。


それが、今同時に明かされる――――っ!!








「そのちっこい女の子、誰?」




……………………え?





「こ こら!慎吾!
そんな言い方したら失礼だろう!」



「えー?
だってホントの事じゃん?」



「慎吾っ!」




慎吾くんの発言に、慌てて私の反応を気にしながら叱咤する盆子原さん。


だけど私が気になったのは、そんな事じゃなかった。



慎吾くん…
わざとトボケているの…?