「これが何かわかりますか?」
「…………」
「爆弾のリモコンです。
本体は、洋子のところにあります。
洋子が着替えの前にトイレに行ったでしょう?
そのすきに、彼女の好きなチョコレート菓子の箱をかぶった爆弾を、置いておいたんです。
喜んでいるでしょうね。
披露宴が終わるまで何も食べられないと、しょげていましたから」
まりあは、目の前が暗くなっていくのを感じた。
「さあ、あと30秒のうちに、良い返事をしてください。
困るでしょう?人が死んだなんて式場には、もう人は入らないでしょうね」
いち、と織田が数を数え始めた。
10まできたとき、彼が再び壁際に追いつめたまりあの肩に触れた。
注射器を、指の間に挟んだまま。



