「もー嫌やー。俺、女心わからへん!!」



とうとう式は明日に迫ってしまった。


まりあは表面的には元気にしているが、バックに入ると途端に悲しそうな表情になってしまう。


悪霊を抱えたように、背中がどんよりと暗くなっていて、見ているだけで可哀想になった。


彼女の婚約者の努力は実を結ばず、結局脅迫状の犯人はわからないまま。


わかったのは、送り状にあった新婦の友人が、例のカップを買ったことはないということだけだった。


誰かが他人の名を使ったのだ。


明らかに、結婚式本番でトラブルがあることはわかっているのに、それでも中止しようとしない。


そんな新郎新婦のことが、セッテは理解できないでいた。


何かあったら、新婦のお腹の赤ちゃんまで危険が及ぶかもしれないと言うのに。