一方まりあは、うっかり話しそうになってしまった自分を、心の中で叱った。 セッテも瑛も知らないことだ。 あの事件があったあと。 織田に、相談があると言って、休みの日に呼び出された。 それだけでも瑛は嫌な顔をするだろう。 そこで行われた『相談』の内容は、決して彼らに言える内容ではない。 (困ったな……) まりあは一人で湯船につかり、ぼんやりと天井を仰ぎ見た。