『ご結婚おめでとうございます。
式には行けないので、お祝いを贈ります。
結婚式の準備、大変でしょう?
洋子は紅茶が好きだったよね。
どうぞ、私の贈り物があなたの緊張を和らげてくださいますように』
「なんや、これ」
青酸を塗ったカップで、紅茶を飲めと?
「アホや……」
そんなことをしたら、新婦は……
この贈り物を正直に届けていたら、式の前に洋子は死んでしまうところだった。
「……岡崎さんの会社、このカップ調べられます?」
「わかりません……探偵であっても、鑑識ではないので。
でも、つてはあるかもしれません」
「ホンマに青酸かどうか、俺もわかりません。正直、自信ないです。
やけど、ここに異物が塗られてるのは事実や」



