個人情報は一切明かしてはならない。
それが、猫の規則。
本当は既に婚約しているし、式の日取りも決まっている。
しかしその場所や日時を飼い主に教えることはできない。
本名を知られる可能性があるからだ。
それに、他の式場で式を挙げることを話すのは、気が引けた。
「セッテさんも出てますよ、桃色オーラ」
「へっ?」
「ふふふ」
まりあはにこにこと笑い、玉子焼きを口に放り込んだ。
「素敵な人なんでしょうね。セッテさんのお相手」
「あ…はは、どうなんやろ。
俺は好きですけどね。他の人から見たら、なんでそこいくんやって言われそうですわ」
「あー、わかる。
あたしなんか散々言われてますよ。相手がああいう人だから。
友達皆、彼の見た目と言動のロマン度のギャップにがっかりするんです」



