しん、と静まり返った室内。
どれほどの時間、ぼんやりしていたのだろう。
もぞ、と動いた烏丸に、呉羽はゆるゆると視線を落とした。
「・・・・・・寒くなってきたね」
膝の上で丸まっていた烏丸が、もぞもぞ、とさらに呉羽に引っ付いてきながら口を開いた。
火鉢を見れば、火が小さくなっている。
呉羽は烏丸を己の袿の前で包み、緩慢な動作で立ち上がると、火鉢に炭を足した。
黙って火箸を動かす呉羽を、烏丸は袿の中からじっと見る。
「お姉さん」
何となく心配で、何か声をかけようとするが、何を言えば良いのかわからない。
烏丸が困っていると、不意に呉羽が顔を上げた。
「・・・・・・また降ってきた」
雪が、ちらちらと舞っている。
しばらく雪を眺め、呉羽はぽつりと呟いた。
「女官殿は、そはや丸のことが好きなのか」
そして、ちらりと抱いている烏丸を見る。
「お前も、そんなこと言っていたね」
こくんと、烏丸は頷いた。
どれほどの時間、ぼんやりしていたのだろう。
もぞ、と動いた烏丸に、呉羽はゆるゆると視線を落とした。
「・・・・・・寒くなってきたね」
膝の上で丸まっていた烏丸が、もぞもぞ、とさらに呉羽に引っ付いてきながら口を開いた。
火鉢を見れば、火が小さくなっている。
呉羽は烏丸を己の袿の前で包み、緩慢な動作で立ち上がると、火鉢に炭を足した。
黙って火箸を動かす呉羽を、烏丸は袿の中からじっと見る。
「お姉さん」
何となく心配で、何か声をかけようとするが、何を言えば良いのかわからない。
烏丸が困っていると、不意に呉羽が顔を上げた。
「・・・・・・また降ってきた」
雪が、ちらちらと舞っている。
しばらく雪を眺め、呉羽はぽつりと呟いた。
「女官殿は、そはや丸のことが好きなのか」
そして、ちらりと抱いている烏丸を見る。
「お前も、そんなこと言っていたね」
こくんと、烏丸は頷いた。