「・・・・・・ん・・・・・・」

 明るい日差しを感じ、呉羽は目を開けた。
 ぼんやりしていると、不意に視界に、にゅっと烏丸が現れた。

「お姉さん、具合はどぅお~?」

「・・・・・・烏丸か」

 相変わらずぼんやりと烏丸を見つめ、呉羽は、ふと己を包んでいるものを見た。
 単と、衾と、着ていた着物。

 あれ、と思い、少し身体を動かして、走った痛みに覚醒する。

「あっつぅ。そっか、怪我したんだったな。それにしても、衾は右丸が使ってたんじゃ」

 言いながら、呉羽はやっと、己の状況を把握した。
 胸に布は巻かれているが、あとは何も着ていない。
 その己のすぐ横に、己を抱くように寄り添うのは・・・・・・。

「うっ右丸っ!!」

 驚いたが、上体を起こそうとした途端、痛みと目眩に襲われる。

「うっ痛たた」

 起き上がれないので、右丸の腕の中から逃げ出せない。