「乃愛より姫香のほうがかわいいでしょ?」


なんだよ…

なんなんだよ…


「乃愛…の声…を、聞いたことがありますか?」


「もちろんよ」


「乃愛が…あなた方にわがままを言ったことがありましたか…?」


「言わせたことなんかないわ」


「…そのせいで乃愛は…」


旅館で乃愛が去った後置かれていた置き手紙には…


わがまま聞いてくれて嬉しかったよ、と書いてあって横に

涙が落ちていた。


「…藤波くん…だっけ」


「あ」