「………恭、乃愛ちゃんまだ?」


「……あぁ」


あたし…意識あるよ…


誰か気づいてよ…。


「…お前、すげぇな」


「ん?恭に誉められるようなことした?」


「傷…小さい」


恭先輩のあったかい手があたしのお腹をそっと撫でてる。


「俺は恭と違って器用なんですよ、手先も…女の子の扱いも」


「…………だな」


髪に手が絡みつく。


この手は恭先輩だよね。


どうして体が動かないんだろう。


痛くもかゆくもないのに…。