確かにそれを一時期黒髪に染めた。 「よく知ってますね…」 「ずっと好きでしたから」 ベーッて舌出した。 なんか子どもみたい。 「あたしも藤波先輩の黒髪時代知ってます」 「三年の受験シーズン?」 「黒縁メガネもかけてました」 「伊達な」 「伊達ですか…」 あたしはまだまだ藤波先輩のことをよく知らない。 「これから藤波先輩のこと、もっと知っていきたいです」 「………いいよ、俺も時間作るわ」